今オフシーズン、前年チャンピオンのボストン・セルティックスに対抗するため、イースタン・カンファレンスの各チームは積極的な補強に動いている。
中でも大きな補強に成功し、来シーズンの躍進を予感させているのがニューヨーク・ニックスとフィラデルフィア・76ersだ。
トレードによりミケル・ブリッジスを獲得した。これによりビラノバ大学出身の4選手を集めたことになったニックスは、ケミストリーを崩すことなく昨シーズンのイースト2位から更に成績を伸ばすことが期待されている。
また、ポール・ジョージを加えたシクサーズは、ジョエル・エンビード、タイリース・マクシーと共にビッグ3を形成した。昨シーズン怪我に泣いたシクサーズはイースト屈指のパワーハウスとなりカンファレンス・ファイナル出場や更にそれ以上の成果が求められているだろう。
大きな補強を果たした2チームのうち、セルティックスの最大の脅威になるのはどちらだろうか?ESPNの記者の意見を見ていきたい。
コートニー・クローニン「イーストではセルティックス自身が最大の脅威だと思います。健康でいられるかなどすべてを踏まえたうえで。」
「でもその次に完成度の高いチームはニューヨーク・ニックスだと思います。彼らがOG・アヌノビーと再契約し、ミケル・ブリッジズを迎え入れたことが特に気に入っています。ブリッジズはディフェンスの効率性や強度を提供し、アイザイア・ハーテンシュタインがオクラホマシティ・サンダーに移籍したことで失われた部分を少なくとも一部は補っています。ニックスの構成は非常に優れています。」 「ビッグスリーについて話すと、ポール・ジョージがタイリース・マクシーやジョエル・エンビードとチームを組むことになりましたが、2024年のNBAではそれが必ずしも勝利の方程式ではありません。それに、ビッグスリーがすぐに成功する例はほとんどなく、最後に成功したのはレブロン(・ジェームズ)がヒートに加入した時です。それでも一年はかかりました。76ersも2025年には強力なチームになるかもしれませんが、現時点ではニューヨーク・ニックスの方がボストン・セルティックスの次に完成度が高いチームだと思います。」
ハリー・ダグラス「ニューヨークを見て言えることは、ジェイレン・ブランソンがクローザーであり、ジュリアス・ランドルも戻ってきます。しかし、彼らの第三の確固たる得点源は誰なのか。ニックスには多くの役割選手がいると思います。フィラデルフィア76ersを見ると、なぜこのビッグスリーがこれまでのビッグスリーとは異なるのかがわかります。このビッグスリーは、いつでも得点できる確固たるガード、ペイント内、ミッドレンジ、スリーポイントラインのすべてで得点できるウィング、そしてガードのスキルセットを持つトラディショナルなビッグマンです。」 「周りの選手たちも気に入っています。マイアミ・ヒートからケイレブ・マーティンを獲得できたことは、”スティール”です。ジョエル・エンビードのバックアップが必要なので、アンドレ・ドラモンドとの契約もいいです。エリック・ゴードンもいますが、彼は誰かをロックダウンするわけではありませんが、ベテランミニマム契約で加入しました。今年のプレイオフではトバイアス・ハリスが第三の得点源としては不十分でした。今、ポール・ジョージがその役割を果たすことになると思います。」
ESPNの記者の間でも継続性のあるニックスが二番手となるのか、強力なタレントをバランス良く揃えたシクサーズが二番手となるのかで意見が分かれている。実際現在のところ両チームの力の差は大きいとは言えないのだろう。これら2チームが継続性とタレント力の両方を兼ね備えたセルティックスにどう対抗していくのかは見ものだ。
今回取り上げなかった中にも、ミルウォーキー・バックス、クリーブランド・キャバリアーズ、マイアミ・ヒートなど、強力なチーム、侮れないチームはある。西高東低と言われ続けている中、着実にイースタン・カンファレンスのレベルも上がってきている。来シーズンのイーストの争いにも注目していきたい。
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