現在ボストン・セルティックスのアシスタントコーチを務めるサム・キャセールは現役時代にオールスターやオールNBAチームに選出され、3度の優勝を経験した、輝かしいキャリアの持ち主だ。
アシスタントコーチとしてのキャリアも長く、2023-24シーズンはセルティックスでチャンピオンリングを手に入れた。特にドック・リバースと共にコーチングすることの多い彼は、リバースのことをどう評価しているのだろうか。ドレイモンド・グリーンのポッドキャスト”The Draymond Green Show“より見ていきたい。
ドックはリーダータイプの人物で、彼は自分のやり方で物事を進める。彼は成功を収めているからね。でも、ドックはアドバイスも受け入れるんだ。例えば俺が『もう休んでいいんじゃないか』って言うと、『分かった、もう十分だ』って感じで止めるんだ。彼は選手たちに対してかなり厳しく接するけど、その厳しさが選手たちのキャリアを成長させてきたことは間違いない。モントレズ・ハレルなんかは彼のもとで最高のシーズンを過ごしたし、ルー・ウィリアムズもそうだ。デアンドレ・ジョーダンやブレイク・グリフィンも、ドックの下で最高のキャリアを送った。ポール・ピアースも、彼のキャリアのピークはドックと一緒だったんだよ。
リバースは確かな実績を残しながらも批判の多いコーチだ。しかいキャセールによればリバースは強いリーダーシップを持っていて、またその厳しさによって選手の力を引き出し、最高のシーズンを送らせるようだ。現在バックスのヘッドコーチを務めるリバースだが、ヤニス・アンテトクンポや他の若い選手の力を引き出すことができるのだろうか。
また、2023-24シーズンを共に過ごしたジョー・マズーラについても語っている。
ジョー・マズーラと一緒に働き始めたとき、ジョーはまだ若くて、NBA選手とどう接するか、どうやってチームを準備させるかという知識がなかった。でも今ではそれをしっかり身につけていて、俺たちのコーチングスタッフのロッカールームは、どこにも負けないほど充実している。ボストンでは、俺たちはちょっと違うやり方をしているんだ。スタッフ全員に意見があって、それを尊重するけど、最終的にはジョーが決定し、俺たちはそれに従う。たとえ俺がその決定に納得していなくても、文句は言わない。次の試合に向けて切り替えるんだ。
そして、彼はチームから最高のパフォーマンスを引き出すのが本当にうまい。彼は大声を出さずに、ただ事実を述べるだけなんだ。『優勝したいなら、そのために全力を尽くそう』ってね。『10試合を15日間でこなすなら、全部勝とう。疲れてるからといって逃げ道を作るな』って。みんな試合に出たいと言うけど、実際に試合になるとそうでもないんだよな。
マズーラも就任初年度はまだヘッドコーチとしての知識がなく戸惑うことも多かったのだろう。しかし、キャセールが加わった2023-24シーズンには立派にヘッドコーチを勤め上げ優勝を果たした。そうできたからにはそれだけの理由、マズーラの強みがあったからこそなのだろう。
自身も名選手でありながら、数々の名選手や名コーチと共に戦ってきたキャセールだが彼自身はまだヘッドコーチ経験はない。最近ではチームがヘッドコーチに彼を抜擢するといった噂も聞かれるようになってきたが、いつか彼がヘッドコーチとしてチームを率いる姿を見てみたいものだ。
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