現地12月28日、サクラメント・キングスはヘッドコーチのマイク・ブラウンの解雇を発表した。
解雇時点のキングスは13勝18敗のウェスタン・カンファレンス12位に沈んでいた。更に5連敗中とあってはチーム状況の改善に向けてフロントが手を打っても不思議はないだろう。
しかし、わずか2シーズン前に48勝36敗のウェスタン・カンファレンス3位、キングスを16年ぶりのプレイオフに導いた功績を誇るブラウンだっただけに驚きの声も少なからずあった。
ゴールデンステイト・ウォリアーズのヘッドコーチを務めるスティーブ・カーと、デンバー・ナゲッツのヘッドコーチを務めるマイク・マローンも同じヘッドコーチとして思うところがあったようだ。
スティーブ・カー
「このニュースを聞いて、本当にがっかりしている。マイクは素晴らしい友人であり、素晴らしいコーチだ。彼と話をしたが、これがこの業界の性質だということは皆わかっている。それでも、1年半前に全会一致で年間最優秀コーチに選ばれた人物が解雇されるのはショックだ。
彼が来る前のチームの状態と、彼が来てからの数年間での成績を考えると、彼と彼のスタッフが成し遂げた仕事は素晴らしかった。それだけに本当に驚いている。もちろん、チームは厳しい時期を迎えていたが、これはNBAだ。どのチームもこういった困難な時期を経験する。
自分は、このような時期を乗り越える時間を与えてくれる組織で働けることを本当に幸運だと感じている。この組織は継続性を大切にしており、それが自分たちのチームやスタッフ、そしてグループ全体にとって大きな支えになっている。どのチームでも厳しい時期はある。今まさに自分たちもそういう時期を経験しているが、この組織のサポートは例外的だと思う。
もちろん、これがずっと続く保証はないが、それでもここでコーチをして、この組織で働けるのは本当に幸運だ。この仕事や業界は厳しいものだ。だからこそ、今日はマイクに対して本当に気の毒に思う。
彼とは話をしたが、それはプライベートな内容だ。ただ、彼は素晴らしい友人であり、彼が私たちのチームや自分自身に与えた影響は計り知れない。」
マイク・マローン
「本当にひどい話だ。本当にひどい。そう言う理由は、今日の午後にミーティングに入る際のことだ。俺は基本的にソーシャルメディアをやらないから、ここの外で何が起こっているかを知らないことが多いんだ。10年間、窓のないオフィスにいた。それで寿命が6年くらい縮んだと思う。そしてミーティングに入ったとき、コーチ陣が『マイク・ブラウンのこと聞いたか?』と言うから、『どうしたんだ?』と聞いたら、『解雇された』と。最初は本当に驚いた。でもすぐに我に返り、こう思った。『なぜ驚くんだ?』と。
その理由は二つある。一つ目は、NBAのヘッドコーチという仕事の本質だ。最終的に負けの責任はヘッドコーチに回ってくる。勝ったらその功績はサボニスやフォックスのものになる。負けたらマイク・ブラウンのせいになる。それがこの仕事の仕組みだ。
二つ目は、彼が誰の下で働いているかだ。だから、マイク・ブラウンが解雇されたことには驚かない。なぜなら、俺も同じ人物に解雇されたことがあるからだ。 本当に腹が立ったのは、彼らが昨夜試合に負けた後のことだ。5連敗目だったと思うが、タフな敗戦だった。ジャンプシュートのシューターにファウルをして負けた。そして今朝、彼らは練習を行った。その後、彼は試合後のメディア対応をし、車に乗って空港に向かってロサンゼルスへ飛ぼうとしている途中で、電話で解雇を知らされたんだ。何の礼儀もない、何の度胸もない。それが俺の感想だ。」
マイク・ブラウンはキングスのヘッドコーチを務める前はアシスタントコーチとしてウォリアーズに所属していた。そこで共に働きその能力を評価していたカーからすれば今回の出来事はショッキングなものだったろう。
また、マイク・マローンはかつてキングスでヘッドコーチを務めた経験があるが、彼が解雇されたときのやり方も同じようなものだったのかもしれない。
ブラウンの解雇によりキングスの調子が上向かなかったとき、彼らは組織そのもののあり方を考え直さないといけないのかもしれない。
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